前半戦振り返り1-2 規律の崩壊

前回の記事(http://romano10tottiroma.muragon.com/entry/3.html)で前半のローマは引き分けによる取りこぼしが多いのが問題と言いました。


どんな大会でも内容は置いといてある程度の勝ちを収めていく安定性があるのがビッグクラブ。苦しい時でも耐えることができる。ゲームをつくることができる。いろんな言い方があると思いますが、ここまでのローマはジェットコースターのように不安定でした。素晴らしい大勝したと思えば信じられない大敗もする。そこがローマの魅力だったりするのですが、スクデットを狙うチームはそれではいけませんよね。
私は「安定性」というのはサッカーにおいて規律だと思っています。
具体例を挙げると、


①守備
プレッシャーのスタート位置、ラインコントロールといったものがチームで決められていて選手はそれを実行する。サボる選手だったり、役割を果たせない選手(ポジションに適正がない選手)はスタメンから外れたり放出される。それを継続的にできる選手がスタメンを獲得するのですが、自分の与えられた役割は最低限遂行させるためには監督の力であったり他の選手からの指示が必要になってきます。今のローマには守備の規律を守らない選手はいるわ、それに指示を出す選手はいないわで守備はしっちゃかめっちゃか。
前半戦、チームの守備戦術を乱しているので特に目立ったのが、放出をされたイトゥルベ、右SBにコンバートされたフロレンツィではないかと思います。
守備をしない、自分勝手なプレーが目立ったイトゥルベ。右SBの役割が不適なフロレンツィがいた右サイドは再三狙われました。イトゥルベに関しては移籍したことですし、いうことはないです。
フロレンツィは少しかわいそうな面もあります。本来は中盤の選手ですが、右WGをやらされたり、代表では中盤をやらされたりとポジションが固定されていません。運動量と思い切りのよさを武器にする選手で質よりも量といった選手ですからSBというガルシア案も理解できますが、正直向いているとは思いません。
あくまでも緊急対策としてのオプションにしかなり得ないと考えてます。イトゥルベの放出、本職の右SBの起用は守備の規律の解決策となり得ます。ここは補強ポイントですよね。


②メンタルコントロール
去年から再三指摘されていることですが、ターンオーバーをするべきですよね。疲れによる集中力低下、運動量不足、競争がないことによる漫然としたプレー。最近よく見られる場面ですね。いい意味での緊張感があまり感じられないというか、選手に刺激が足らないんじゃないかな~。これらはターンオーバーであったり若手を抜擢してみたりすることで変わると思うんだけど、どうでしょう?
ガルシアはターンオーバーに消極的です。エメルソン、ヴァンクール、ウチャン辺りはもっと使われるべきですよね…。同じポジションのディーニュ、ナインゴラン、ピァニッチなんかは徐々にパフォーマンスが落ちてきています。ウチャンなんかは不思議で、なぜか使わないのにベンチに置く、ローンを含め放出しない。
「いったい、どうしたいんだい?!」
信頼してないなら放出して信頼できる選手をつれくるべきです。ここも補強ポイントですね。



少し遠回りになりましたが、前半戦の引き分けの原因は守備の不安定さ、選手のマンネリ化ではないかなという結論に達しました。
次回の記事からはいよいよ補強ポイントについてまとめていきます!

前半戦振り返り1-1.引き分けの多さ

移籍の噂だけはいつも早くから出ているローマを応援するブログ、第三回です。


移籍マーケットがオープンしました。
すでに前回のブログでも書いた通り、イトゥルベはおわれるようにして!?ローマを去っていきました。
放出の一方で、加入の噂もちらほらとでてきています。
(1/4時点ではどうやらWGの獲得に積極的に動いているようです。)
なんでもジェノアのペロッティ、ACミランからのローンでモナコへ出向中のエル・シャーラウィがチーム間合意やら後釜確保待ちとか。


ただ、「補強ポジションはそこなのかサバティーニ!」
といいたいわけです。
新スタジアム建設で補強予算があまりとれないというチーム事情を考えると、補強したいポジション全てに選手を獲得することは不可能です。優先順位をつけながらいくつかに絞って補強するというのが現実的なプランでしょう。ここで成功すると後半戦へのブーストになります。ですから1月の移籍マーケットの内容いかんで今シーズンスクデットがとれるかどうかに関わってきます。そこで今回から数回にわけて1月の補強について書いていきます。


まずは補強ポイントを挙げる前に前半戦を振り返って現在のチームの問題点をあぶりだしましょう。
☑引き分けの多さ
(17節終了時点)


5位ローマ(勝ち点32)

  1. 9勝5分3敗
  2. 32得点18失点
  3. 1試合平均1.8得点1.05失点


1位インテル(勝ち点36)

  1. 11勝3分3敗
  2. 23得点11失点
  3. 1試合平均1.35得点0.65失点


ローマが引き分けた相手は、(A)ヴェローナ戦1-1、(H)サッスオーロ戦2-2、(A)ボローニャ戦2-2、(A)トリノ戦1-1、(A)ナポリ戦0-0。正直、ナポリを除けば勝てた相手ですよね。いわゆる「とりこぼしの引き分け」が5試合の内、4試合も!


引き分けの内容を見てみると、問題点が3つ。
☑点はとるが勝ちきれない
ヴェローナ戦1得点、サッスオーロ戦2得点、ボローニャ戦2得点、トリノ戦1得点、ナポリ戦無得点。 アウェイでのナポリ戦以外の4試合では得点を挙げています。



☑精神的に負担がかかった試合の直後の試合で集中ができない
ヴェローナ戦はサッスオーロ戦はCLバロセロナ戦後、ボローニャ戦はローマダービー後、ナポリ戦はCLバテボリソフ戦後に戦っています。さらにヴェローナ戦はセリエ開幕戦。どうも精神的にあまり強くないチームのようです。


☑先制点が奪えない
ヴェローナ戦、サッスオーロ戦、ボローニャ戦はすべて先制点を許しています。不利な展開からのなんとか追いついての引き分け。よく追いついたのか入りをよくすればよかったのか…


この課題をどう解決するかは次の記事で。

さらばイトゥルベ。

2016年になりました。
12月までの低調なゲーム内容が改善されるのか。
1月は今シーズンを占う意味でも好スタートを期待したいですね。


さて、一月になり、移籍マーケットがオープンしました。
ローマ関連ではすでに、イトゥルベがプレミアのボーンマスに移籍が決定しています。
イトゥルベに関しては全世界のロマニスタの意見は一致してるでしょう。
結局、最後までフィットできませんでした。
チームのプレースタイルとの相性、個人のスキルの問題、いろいろとありますが、
私は本人のメンタルの問題ではないかと思います。
エラス・ヴェローナでプレーしているときは、勢いがあり、ダイナミックな選手でした。


JUAN ITURBE | Goals, Skills, Assists | Hellas Verona | 2013/2014 (HD)



ローマに移籍してきて、守備でのタスクなど戦術的縛りが増え、試合中にやらなくてはいけないことが増えました。それが彼の中で徐々にプレーに迷いを生じさせていき、長所である思い切りの良さが影を潜めるようになり結果が出せない焦りから無理なドリブル、個人プレーが目立ちました。もう悪循環ですね。それでもガルシア監督は辛抱強く起用し続けました。名誉挽回のチャンスは沢山もらえました。そこで結果を残せばまた変わるんでしょうが、彼の場合は結果が出せませんでした。最後の数試合ではチームメイトから信頼を失っている感さえありました。これでは移籍もしょうがないかなという感じです。大事なチームメイトから「失格」の烙印を押されたのです。セリエにきてヴェローナで残留に貢献して、ある程度の自信をもってローマに来たはずです。その自信も砕け散り、彼も移籍を決心したのでしょう。


結果的には完全に力不足でした。移籍金3000万€も完全に過大評価
彼の特性がチームとマッチするかを見抜けなかったサバティーニにもこの失敗の原因の一端はあります。(当時はユベントスからかっさらって獲得。)
ただ、ガルシア監督がイトゥルベを生かすような役割・使い方を見いだせなかったことも事実です。なにもかも上手くいかなかった典型的な例でした。


今回の失敗の原因(責任)は


イトゥルベ 75%、サバティーニ15%、ガルシア監督10%


といったところでしょうか。
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